AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

tom's eye 6. 食の物流革命(マーケティング、出会い、プラットフォーム)

これから、農業革命というよりも、食べ物流通革命が起こるかも。

ふるさと納税の特設サイトを見てて思った。

これは、よくできた仕組みで、今まで弱小地方ということで、置き去りにされていた独自のおいしい食材を、ふるさと納税というプラットフォームに乗せることにより、多くの生活やに知られ、認知・購入されることになった。

急激な注文増の業者さんにとっては奇跡のような話だろうが、ふるさと納税制度が終了したらおしまいという一過性の話と捉えるより、これがこれからの食のマーケティングの原型を示していると考えたら、もっと面白い。

 

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tom's eye 5. 今、外食市場で起こっていること。(マーケティング、出会い、プラットフォーム)

外食市場において、これまで隆盛を誇示してきたチェーン店が元気がない。

一方、生活者の支持で選ばれた泡沫飲食店が勃興、パレートの法則と逆行してどんどん伸びている。

その動きを推進しているのは、食べログぐるなび生活者共創プラットフォームだ。

市井の生活者の目線で得点の高い一般の飲食店と検索に来た生活者とを結びつけていく。

ふるさと納税制度も同じような理屈だ。辺境にありながら、口コミや生活者の支持で評判になったものに認知や注目が集まり、その評価が倍々ゲームになっていく。

ここで大事な視点は、プラットフォーマーにとっては、そのコンセプトとマス認知技術だろう。

そして、そこに乗っかる業者は、ユニークな商品とPR技術だろう。 また、早くからプラットフォーマーと仲良くなるということだろう。

 

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tom's eye 4.これからのマーケティング(マーケティング・出会い・プラットフォーム)

世界のWebサイト数が47億個を突破したと言う。(2016年3月時点、Live Scienceより)

グローバル化の流れの中、これからさらに加速度的に増えるだろう。

極端な話だが、 一人の顧客候補に47億個がアプローチしてきたらどうなるのか?

アプローチ側の顧客獲得は至難の業だ。 これからは単純に買い手市場になるということでもある。

 

         

tom's eye 3. tom's eye 始動

こんにちは。TOMです。

自称マーケティングの手錬れ(てだれ)。

これまで36年間、某大手広告会社のマーケティング職として様々な企業のマーケティング業務をお手伝いしてきました。

2015年10月に独立し、TOM=Top of Mindという会社を立ち上げました。

仕事もようやくこなれてきたので、「tom's eye」として、ブログを本格的に開始します。

今まで、個人のノートやメモに、ビジネスに関する色々なことを書き溜めてきましたので、それを少しずつ皆さんにご紹介しようと思います。(2017年2月20日)

tom's eye 2. AI万能論の中で置き忘れている議論

AIは心の解析に進む

Internet of Thingsと言われ、これからはあらゆるモノにセンサーが配備されるようになり、ネットとつながります。これにより、人、モノ、情報はすべて結ばれる本格的ビッグデータの時代を迎えようとしています。

ビッグデータにより、何をどう解析するのか。

結論から言うと、ビッグデータの解析は、モノと人との関わり、人のプロフィールや行動の解析から、人間の心の解析に進むと考えられます。

事実、多くの学者やメーカーがこの領域にコンピュータに自ら学ばせるディープラーニングという手法を使ってチャレンジしていますが、なかなか一筋縄ではいかない領域でもあります。

 

AIは「イエス・ノー占い」のお化け

人工知能に人間の心を解析させるとはどういう作業なのか。

僕は、人工知能を「イエス・ノー占い」のお化けみたいなもんと考えるとわかりやすいと思います。

たくさんの設問をイエス、ノーでチェックしていって、最後に「あなたの性格は5つあるうちのこれです。」っていうアレです。

すると、ビッグデータでイエスノーの数は多くなるが、問題は最後の回答部分で、ここでどれだけ最適な分類ができるかが大きな課題となります。(「人工知能は人類を超えるか」の著者松尾豊さんは「学習」とは「分類」であると言っています。)

                            

 

最後の回答を出すのは人間

そして、最後の回答を導き出すのは相変わらず人間なのではないかと僕は思います。

何故なら、コンピュータは、天気予報や株価予想などある種の限られた領域でのデータを使って確度の高い予想をするのは得意ですが、人間の脳のような生活のあらゆる領域での経験、体験を使って判断するというのは苦手というか、まだできないからです。

ということは、当面はそのようなことをコンピュータに教える人材が重要ということになります。

それが教えられる人材とは、端的に言うと、ビッグデータから商品やサービスとのマッチングやギャップを見つけ出せるアナリスト的人材ですが、そのセンスを身に付けるには、日頃の人間の生活を鋭く観察し、人間の五感の行き着く先を見極め、どうすれば感動したり、好き嫌いという感情が湧くのかを見抜ける人材なのではないでしょうか。

 

 

tom's eye 1. 2017年はガラポンの年になるか。

2017年が始まった

「日本3.0が始まる」はNewsPicksの佐々木編集長の言葉だが、2016年、確かに変化の予兆はそこかしこで見られた。

僕は、変化のキーワードを「IoT」、「シェア」、「AI」と見ていたが、新聞記事もこの用語が氾濫し、少々食傷気味になっている感もあった。

しかし、年後半になって、キーワードの主役に「ブロックチェーン」が加わったなという気がする。

ブロックチェーンとは、一言で言うと、ネット内で「信用」を獲得できる技術だが、これがこれまでネット上にあった様々な障害を取り除き、より低コストでインテリジェントな社会に変貌させていくだろうという予測を生んでいる。

この変化予測を大胆に紐解いてくれる本がある。

「BLOCK CHAIN REVOLUTION」ダイヤモンド社刊、2,592円

 

「将来、会社はどうなるのか」

この本の中で特に興味を惹いた箇所の一つを紹介すると、

会社というのは、あるミッション達成のために大きな組織を作って、それを上の人が下の人を使うというたて型ヒエラルキー構造で動かしていく最適のシステムだったが、

ブロックチェーン技術を使うと、元々が分散型のプラットフォームなので、大きな塊である必要がなくなる。

1人=機能を発揮する単位として扱われること、かつ

意思決定をする人がいらなくなること(ブロックチェーンの集合知がそれをやってくれる)

で、限りなく水平型になっていき、大きな組織である必然性はなくなり、かつ会社という単位もいらなくなるのではないかというもの

要は、会社のミッション達成に有能かつできるだけ互換性のないパフォーーマンスを発揮できる人間を揃えれば、利益が得られ、応分の配分が得られるようになる

 

そうすると社会はどうなるか

ここからは僕の考えですが、

1)採用の方針が変わる…上記の人材獲得をブロックチェーンを通じて世界中から行うようになる。何しろ、ブロックチェーンは信用をベースにしたプラットフォームであり、そこからその会社が求めている最高の人材をチョイスすればいいのだから

2)教育方針が変わる…そんな人材になるためには、これまでの教育システムをもしかしたら根本的に変えていかなければならない。(教育については、またの機会で言及したい)

要は「これからは、求められる人材像が今までと全く異なるぞ」ということです。

(2017年1月1日、社会全体、技術革新)

 

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

ダイヤモンド社

tom's eye 0. これから世の中どうなるのだろう。僕たちはどう幸せを掴めるのだろうか

さて、始めるとするか。

私、sudotomは、ブログなるものに初めて挑戦します。(力入ってるなあ)

何を書きたいのかと言うと、これから世の中どうなるのだろう。僕たちはどう幸せを掴めるのだろうかということ。

実は、僕はついこの間まで博報堂という広告会社に35年勤めていた。なので結構、初老なおじさんである。

で、そこでは入社以来ずっとマーケティングという職種で働き続けた。最後の15年は、ずっと海外というおまけ付きでもあるが、お陰様で、地球規模で世の中の動きやこれからどうなるとかいう話題についてはちょっと一家言ある。

もうひとつ自分の特徴を言うと、博報堂という会社は、生活者発想という理念を持っており、そこで35年やってきたことで、生活者側からものを見るという癖がついている。

マーケッターの世界は、自分たちの商品をいかに消費者に売るかが勝負なのだから当然ながら、企業側からものを見る人が多い。

人々の生活から見てマーケティングを語るというのは、ありそうで、これ結構ないんだよね。

なので、その辺の目線というか、スタンスで語っていきたいと思う。

では、自己紹介はこれくらいにして…

 

初めてのお題は、

「I oT = Internet of Thingsって何だ?」

 

安倍首相が産業界のお歴々を招いて、「第4次産業革命を勝ち抜いて日本を躍進させたい」 と表明したのは今月11月(2015年)のこと。

第4次産業革命とは、少々仰々しい。ITの時代と言われて久しいが、一体これまでとどう違うのだろうか。誰しも気になる所だろう。

僕が思うに、そのキーワードになるのが、IoT(アイ・オー・ティー)なのだ。

わかりやすく概念図で説明しよう。

よくインターネット以前・以降で世の中違うと言われるが、僕もそう思う。

インターネット以前の世の中を一言で言うと、地球上の情報が偏在し、人は限られた情報の中で判断し、物事が動いていた時代だ。(図A参照)

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で、インターネット以降、世の中がどうなったかというと、一つは情報が芋づる式に個人の手に入るようになった。これはご存知の通り、Googleの貢献が大きい。

そして、もう一つは、Facebookに代表されるソーシャルメディアの普及によって、人が発する情報によって、より多くの人と人とがつながるようになった。(図B参照)

これによって、人は地球上にあるあまたの情報を手にし、自分周辺の人ネットワークの拡がりを活用しながら、生活やビジネスできるようになった。

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では、第3章で何が起きるのか。それが「IoT」だ。

 

「IoT」とは、「もの」にも情報が纏わせるということだ。

図Cのように、あらゆる「もの」にセンサーが配置され、それが発信する情報により、つながっていく

第3章、すなわち第4次産業革命とは、一言で言うと、全ての「こと(情報)」、「人」、「もの」がつながる世の中になるということだ。

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では、そのような事態が起きると、生活はどう変わるのだろう?

 

家電製品がインターネットでつながるのをスマート家電と言う人がいるが、スマートというのは、ものがより賢くなるという意味。

生活者側にとっては、より便利な商品、サービスが生まれるということ。痒い所に手が届くようになる商品、サービスが世の中に溢れてくるということだ。

結構なことではないか。

が、メーカー側から見ると、今そのような商品が世の中にそうそうあるわけではない。いや、ほとんどないと言っていいだろう。

これから、いっせいのせで熾烈な開発競争が始まるのだ。

この前、奈良先端大学のフォーラムを拝聴する機会があったのだが、そこで偉い先生が予測するには、東京オリンピック時には、相当、社会の様相が変わっているのではないかとのたまっておられた。

やはりこれから、僕らの生活は相当変わりそうだ。

でも、作り手の方は大変なことになるぞ。その辺はまた後日。

(2015年11月11日)