AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

​tom's eye 67. 人類が獲得した新しいライフスタイル? 画面とにらめっこ

仲間とのコミュニケーションの必要や社用電話がないので

休日出勤は仕事がはかどる。いうのは今は昔の話。

 

何故なら、平日でも電話をかけるという習慣がなくなりつつあるから。

 

また、メールの普及により、ダイレクトコミュニケーションも減っているから、

平日の職場も休日の職場も大差なくなってきた。

 

要は、どっちもパソコンとにらめっこしてるだけなのだ。

 

外に出ても、スマホとにらめっこだし…

 

要するに画面とのにらめっこが、

ここ20年で起こったライフスタイルの一番大きな変化ではないか。

 

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tom's eye 66. 本が売れない理由

前回(tom's eye 65を参照)の続きで、

このコラム(朝日新聞内にニューヨークタイムズのコラム)を読んでもう一つ思ったことがある。

 

デジタル機器の普及は、インスタントな情報摂取をより良しとする。

 

次々に飛び込んでくる情報の塊りに対する認知、理解が早ければ早いほどいいし、

今の自分にフィットする情報が、ぱっと現れればなあ。」といつも思っている。

 

そういう情報の取り方に対する欲求が標準になってくると、伝統的なの情報の取り方、

つまり、本とか長い活字とかを読みこなして、理解して…という行動は、どんどん排除されていくのではないか。

 

ネットが培ったこの感覚が進展すると、人々に喜ばれる情報の有り方が変わってくるという気がする。

 

具体的に言うと、ネットだろうと、リアル書店だろうと、これだと思ったものに出会っても、それが長すぎると全部読む気がしなくなるという感覚だ。

 

普通の書籍が売れなくなっているのと関係がある。

 

  「売れない本屋」の画像検索結果

 

tom's eye 65. もっと良いものがあるのではないかという欲求の増長

 「デジタル機器の普及は私たちの感覚にどんな影響をもたらすか」

という朝日新聞ニューヨークタイムズからのコラムが面白かった

 

骨子は、

「デジタルの世界とは、手っ取り早い楽しみが絶えず無限にあるものだというお約束に近い。ユーチューブの最初の10秒が面白くなければ、すぐ次に移る。」

 

「つまり、いま自分がしていることより、もっとよいものがあるのではないかという思いが心の奥に植えつけられてしまっているのだ。」

というもの。

 

そうなんだよね。同感。

 

筆者に言わせれば、アダルトビデオ屋で迷う感覚に似ていると思う。

 

ビデオ屋で、これはと思うものを見つけて、それに決めようと思いつつも、

「テーマも、出演している女優も気に入ったんだけど、もっといいやつがあるんではなかろうか。」

と、いつまでもうだうだ回遊している感覚。

 

これは、ショッピングでも現れる現象ではあるが、ITの進展は、特に、コンテンツや情報そのものの分野で、この欲求を増長させているきらいがある。

 

tom's eye 35.で、「ザッピング脳」について書いたが、それとも関連する。

 

           「アダルトビデオ屋」の画像検索結果

 

 

 

 

 

 

 

tom's eye 64. ​労働市場について(​頭打ち市場)

需要と供給。これによって経済のバランスは変わる。

 

例えば日本の消費市場、これは間違いなく供給過多だ。

 

では労働市場はどうか。

ここ数年、需要が供給を上回り、人材側の売り手市場になっている。

 

すると何が起こるのかというと、

経営者側は、

  ①過重労働

  ②賃上げ

  ③ロボット化などによる生産性向上

を考える。

 

しかし、昨今の働き方改革で

①従業員に過重労働を強いることはもはやできない。

 

残るは2つだが、

②賃上げは消費市場が右肩上がりの時の施策で経営者は取りづらい。

 

残るは

③ロボットやAI導入などによる生産性改革ということになる。

 

企業にかつてない生産性改革の圧力がかかってくる

 

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tom's eye 63. ウーバーについてもう一言 (クルマの未来)

自動運転の世の中はいつ訪れるのか

 

その辺の道のそこかしこで、自動運転車が走り回っている光景が来るまで、実はまだまだ時間がかかる

 

何故なら、それを実現するためには、いかにAIでもあまりに変数が多く、解決しなければならない課題が無数にあるからだ。

 

従って、特定地域、一部区間を自動運転可の道路に設定し、それをじわじわ増やしていくろいう展開イメージになるだろう。

 

まず、ターゲットになるのは高速道路だ。

何故なら、そこには歩行者や信号という変数がなく、自動運転のための環境予測がしやすいからだ。

 

一方で、冷静に考えると、あらゆる街での自動運転が実用化されるまでは、

道によっては、相変わらず人間がドライバーとなって運転し続けなければならないということだ。

 

その運転手が他人であるとすると、コストは当然かかるわけで、

自らが運転者となって自分や家族を運ぶ方が安上がりであり続けるわけだ。

 

ライドシェアというビジネスモデルは、資産の効率運用という側面では、確かにそうだが、

相変わらず人が運転手となって介在し、その人が他人であれば、そのコストは加算されるということ。

 

ウーバーはまだまだ労働集約型産業なのだ

 

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tom's eye 62. スーパー・ウーバーとは (クルマの未来)

ウーバーの今は、クルマの所有者の空いてる時間を利用して移動の利便を拡大するというアイデアが元だ。

つまり、普段それを職業としてない人が、にわか運転手として一定時間を費やし、報酬を得るという意味では、

ブルーカラー的労働であり、新手の人海戦術で成り立っている

 

しかし、ウーバーの本質を、

自動車という乗り物を使った移動の最適化アプリというふうに捉えると、

供給される乗り物は人間が運転する必要はない

 

それが、スーパー・ウーバーだ。

 

将来は自動運転のクルマがそこかしこで走っていて、移動ニーズがある客を最適な形で移動実現してくれる。

 

これがウーバーの目的であるとしたら極めて社会的なアジェンダだ。

 

そして、そのクルマのオーナーは会社組織でなく、個々人であることがもう一つのこれまでとの違いだ。

 

そう考えると、クルマの所有も一つの権益になってくる可能性がある

 

当然需要には限りがあり、台数規制も起こってくるわけだから、

そこでの所有競争や争いが勃発する恐れもあるのではないだろうか。

 

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​tom's eye 61. 流通 次のコンセプト③ タオバオの新機能 画像検索サービス

中国のアリババが提供している巨大通販タオバオ

 

その新機能

画像検索サービス(=写真パシャリ→ネット通販すぐ注文)

が受けている。

 

実際に、消費者が百貨店や商店街で商品にスマホをかざし、AIを使ってタオバオの8億の商品群の中から類似の商品を選び出すというシーンをよく見かける。

(5月20日 日経新聞

 

対象は店に限らない

友達や見知らぬ人が持っていた気になった商品にも及ぶ

 

身の回りのあらゆる空間を瞬時にショーウィンドウに変える魔法の杖のようだ。

 

筆者は、将来の買い物行動の典型的な姿の一つと思う。

 

「360度ショッピング」、あるいは、

「anytime anywhere shopping(いつでもどこでもショッピング)」と呼ぼう。

 

 

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