AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

tom's eye 96. 食も「コト消費」の一大カテゴリー

エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のことだが、戦後一貫して下落していたのに、2005年から如実にV字反転しているのがわかる。(総務省 家庭調査速報グラフ参照)

 

このことは何を意味しているのか。

 

2005年あたりまでは、家計の中で、食より他に買いたいものが色々あったという事。

そして、それ以降の10年は買いたいものが徐々になくなってきた10年であったこと。

そう。日本でモノはもう満ち足りてきたのだ。

 

2016年は25.8%となり、つまり家計の4分の1も再び食費が占めるようになった。

 

2月14日NHK朝のニュースでのインタビューでは、「食以外に欲しいと思ったことが思い当たらない。」との消費者の声。

 

食も「コト消費」の一大カテゴリーなんだよね

 

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​tom's eye 95. これが未来のAIと人間の関係式

AI社会とはどういうものなのか、その議論が喧しいが、

個人的には、AIと人間の関係式は、かなりはっきりしてきたと思う。

 

その答えは、AIは、人間の、個人の、世帯の、組織の、あるいは企業のアシスタントであり、パートナーだ。

 

人間がやると足りない部分、手間がかかる部分を代替してくれ、

あるいは、人間がわからなかったり、迷う部分に関し、正解に近い正しい方向のアドバイスをくれる存在だ。

 

但し、最後のディシジョンは当事者である人間が行なわなければならない

何故なら、人間は意志があり、意識のある存在であり、AIにはその能力がない以上、この位置づけは変わらないだろう。

 

その一方でAIは、一緒にいると頼もしい存在であり、近未来は手元に欠かせない存在になるだろう。そう確信する。

 

余談だが、将棋のタイトル戦において、将棋会館の別室で、ヒフミンやら何人もの一流棋士が寄ってたかって、その戦いをシミュレーションするというのが日常の光景なのだが、最近は、AIの評価値、すなわち、意見とかシミュレーションを参考にしながら検討を進めているのを見て感慨深かった。

つまり、将棋の世界では、もう既にAIの実力を認めて、その意見や考えのプロセスを参考にしつつ、正解に迫っていくやり方を期せずしてやっているわけで、

「アッ、これが未来の人間とAIの関係式だな。」とピンときた。

 

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tom's eye 94. 大旅行時代が到来する兆しあり

​筆者が北京の合弁会社に駐在していた​2012年、現地社員約70名の日本への旅行企画があり、当時7人いた現地日本人がそれぞれ自分の推薦する東京近郊一日観光ツアーを提案し、現地社員が投票し、人気企画を7つ選んで各自随行するという催しがあった。

 

企画する日本人側は、工夫を凝らし、例えば、ロボットレストランを中心に据えた新宿繁華街ツアーや、芝桟橋から船を借り切る海釣りツアーなど多彩な企画があった。

 

その中で筆者は敢えて、新宿からも近い下北沢でサブカルチャーを味わうという企画を立てた。

ウリは「知る人ぞ知る下北沢で味わう中古品めぐり」だったが、当時、下北沢を知っていた社員は皆無で、また他の企画に比べ派手さがなかったので、投票は1票の支持しか集まらず、あえなく企画はボツとなった。

 

それから約5年後の2017年、筆者が地元の下北沢付近を歩いていて感じるのは、日常的な外国人観光客の多さだ。

当時ほとんど知名度がなかった中国人はもちろん、肌の白い欧米系の人も随分多くなった印象だ。

 

観光庁によると、訪日回数が2回以上の人の割合は2017年4〜6月で62%、

つまり、6割超がリピーターだと言う。

 

「だから、言ったろ。」と当時の中国人の現地社員に言ってやりたいところだが、まあそれは差し置いて、

マーケティング的には、新宿、渋谷などの大都市ではないけども、

近郊の中小だけど特徴ある街をアーリーアダプターが好み、訪れる時代に入ったということだ。

 

これは本当の大旅行時代が到来する兆しだ。

 

東京オリンピックを経れば、恐らくアーリーマジョリティが大挙訪れる時代になるだろう。

 

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tom's eye 93. ​小売りはいずれセブンイレブン 対アマゾンの戦いになる

日本の小売りの戦いは、いずれセブンイレブンとアマゾンの戦いに集約されると言っても過言ではない。

 

今後は、食品×宅配が戦いの主戦場になる。

宅配を含む食品通販市場は、2020年に4兆円弱と5年で1割増えると予測している。(セブンイレブンジャパンの説明 2017年4月22日 日経)

この数少ない成長市場に両巨頭が挑む。

 

セブンイレブンは店舗を起点にした現代版御用聞きで攻め、

アマゾンは、アマゾンフレッシュというブランドを作り、自慢のネットプラットフォームを生かして攻める。

 

筆者は、数々の商品開発実績があり、スピードも素早いセブンイレブンが、アマゾンに比べ一日、二日の長ありと思う。

 

食品のSPA構造を作って、家庭まで届けるワンストップにまで発展すれば、魅力ある商品力に加え、価格競争力をも持って生活者を逃さないだろう。

 

但し、弱みもある。

セブンはネットプラットフォームまで結びついていないことだ。あくまでリアルでビジネスを作っている。

 

一方、アマゾンは、米国で1兆5千億円を投じて、全米で450店舗を持つホールフーズを買収したように、日本の食品スーパーを買収するなどして、リアルショップの確保を虎視眈々と狙ってくるのではないか。

 

 

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tom's eye 92. 未曽有のバーチャル・リアリティ時代へ

1876年​ベルの電話の発明によって、コミュニケーション手段は対面から電話へと拡大した。コミュニケーション手段が時空の「空」を超えた。

 

その代わり、伝える(媒介する)手段は、全身から口語の言葉になった。

(対面の場合、口から発っせられる言葉だけではなく、顔の表情、身振り手振りなども、言いたい事を伝える大いなる手段であった)

 

20世紀インターネットの発明によって、コミュニケーションは電話からメールになった。コミュニケーション手段は「時空」を超えた。

 

その代わり、媒介するものは、口語からテキストになった。

テキスト言語は、対面のように全身で伝えることはできないのはもちろん、口語のように抑揚も伝わらず、いわゆる文字という象形化された記号だけで伝えたいことを表現しなければならない。

 

これによって、人類はかつてなく、脳を鍛えなければならなくなった

と同時に、このメールというコミュニケーション手段が色々便利だし、らくだと言う事も体感した。

 

何故なら、対面は全身対応なので疲れると共に時間を消費する。

電話も同じく、時間を消費してしまう。

 

それに比べれば、メールは脳対応だし(全身対応ではない)、休み休みアクセスできるので、体は楽になった。

 

いつしか人は、全ての人に面着するのは面倒と感じるようになった。

 

同時に、バーチャル上でかつてない多くの人と接することができるようになった。

 

人類は、未曾有のバーチャルリアリティ(VR)時代の入口に立っているいると思う。

 

          

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​tom's eye 91. 人づくりはリーダーづくり、リーダー量産の時代だから大変

そもそも、人間社会は、養ってもらう。養ってやるの二タイプの人間から出来ている

 

これは認めたくなくても、認めざるを得ない事実た。

 

古くは養ってやるの役回りはお父さんであり、会社では社長、社会全体では政府だ。

養ってやる役回りは、別の言い方で言えば、リーダーだ。

 

今、社会全体の変革を余儀なくされている中、人づくり革命が政府のアジェンダになっている。

そして、8月3日の安倍内閣は改造を行い、人づくり革命担当相なる新ポストを用意し、茂木敏光・経済再生相が兼務することになった。

 

人づくりは、つまり新しい社会でのリーダーづくりだろう。

 

中期的には教育改革だろうが、当面の一番大きいインパクトは、働き方改革。

つまり、会社だ。

 

集団主義から個人主義への流れの中、

会社や組織は、大から中小への流れに移っていく。

また、起業やフリーランス化への流れだ。

 

そこで必要になるのは、リーダーの量産だ。

 

いわゆる養ってやる役回りの人間を相当増やさなければならない

 

あなたにも火の粉は降りかかる。大変である。

 

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​tom's eye 90. オムニチャネルに一番近い位置にあるもの ご近所スーパー

今やネットを使った消費総額のうち、13%が出前を除く飲食料品だ。(8月1日 日経新聞より」)

 

世界でも未曽有の高齢化社会を迎える日本では、

この食料品やティッシュ、トイレットペーパーなどかさばるトイレタリー用品など

日常最寄品もネットで買うという動きは、今後さらに加速するだろう。

 

ここでのネットでという意味は、宅配でという意味合いの方が強い。

 

日常最寄品を扱うスーパーやドラッグストアには、ここに勝機がある

 

彼らは店頭を持っている

 

お客さんは、そこで日常最寄り品を自分の目で確かめ、購入することができる

 

つまり、ご近所の商圏を設定し、店頭でネット注文された品をその日や指定日に宅配するビジネスモデルを拡大するのだ。

 

もう着手しているというなかれ。

なかなかうまくいかないんですよというなかれ。

 

高齢者にちゃんとその利便性を認知させているか

店頭、顧客の自宅、スマホ全て連動させているか

店頭でキャッシュレス決済を徹底させているか

 

まだまだ改善の余地があると共に、これからもっと伸びるというシナリオを描いているかだ。

 

これからのスーパーの勝機は、注文配達を取り入れたご近所よろず屋にありだ。

 

    

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