AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

tom's eye 102. ​​働き方改革は、働く場所改革でもある

アップルやフェイスブックは、オフィス内に広場や中庭を設けたりして、開放的な気分にさせ発想を促したり、平屋や低層階形式にして偶然の出会いを高めて効果を発揮しようとしている企業として有名だ。

 

しかし一方で、自分の居場所を決めて、パーテーションで仕切り、業務を遂行した方が集中力が高まり、結果、生産性が高まるという調査結果もある。

 

働き方の条件として、昔と決定的に異なるのは、場所に捉われずに働くことができるようになったことだろう。モバイルPCやスマホの一人一台が普及がそれを可能にした。極言すれば、対面打合せ以外の一人仕事はどこででもできるようになった

その代わり、自律的に業務を管理遂行することが求められる。

 

新しい働き方=働く場所が選べる環境下で個人が成果を発揮する最も重要な要素とは何だろう。

 

鍵はモチベーションにあると僕は思う。

 

誰も監視してない所で働くことは、創造性を育みやすいが、一方でなかなか業務に取り組もうとしない気持ちも芽生える。

言ってみれば、夏休みの宿題がなかなかはかどらないことを想像すればいいだろう。

 

そんな中でモチベーションをいかに持続させるかが個人個人の重要な要素になってくる。

厳しい社会になる。

 

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tom's eye 101. 一億総監視社会について

日本が一億総監視社会になりつつあることは前に述べたが、

でも、匿名性が担保できる状況では何をやっても大丈夫

地下鉄の車内で平然と化粧をしている女子を見ててそう感じた。

今時の子は本能的にそんなリテラシーを体得しているんだな。

 

僕の経験で言えば、中国人は生まれながらにそれを体得している分だけ有利かも。

 

 

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tom's eye 100. 発展途上国でカーシェアはどのような影響を与えるか(クルマの未来)

今、インドのバンガロールという新興都市に来ている。

ここでも、他都市と同じくそこかしこでウーバーのステッカーを貼った自家用車が走っている

 

経験して見たらわかるが、ウーバーは利用者側から見るとすこぶる便利だ。特に、旅行者や出張者にとっては気兼ねなく、色々な場所に行き来できる。そこの所は絶対善だ。

 

運転者側から見るとどうだろう。

多くの人の「タクシー運転手の個人事業主化」 か「配車サービスを生業としない個人の副業化」を促進している。

これが多くの雇用を生んでいることは確かだし、副業という儲け方をしていなかった人には+αの儲け口が現れ、以前より懐はあったかいことだろう。

 

しかし、いずれ需要と供給は均衡する。当然、ドライバー同士の競合が起こり、コスト競争も起こるだろう。

 

自動運転車化して、さらに生産効率を高めるという次のステップに行けるかというと、そうは単純にはいかないだろう。

 

何故なら、写真のように道路のインフラは全く整っておらず、雨が降ると冠水し、かつ交通ルールを無視したカオスな運転がはびこっているからだ。非常に高度な自動運転車ができない限り当分無理だ。

 

しかし、自動運転社会=スマート社会に向けての一番大きな阻害要因は、自動運転車=AIが普及し、多くの運転者の雇用を奪うという流れは、人口の多い新興国では決して容認できないことだろう。

 

その時はどんな社会になっているのだろうか。

 

結局は、生産効率は高いが、依然労働集約型の産業がそこにあるというだけかもしれない。

 

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tom's eye 99. 70億格付け社会へ

日本でも展開を始めたアリペイの信用力サービスについて

「中国アリババのアリペイは膨大な利用実績をもとに、個人の信用力を評価するサービスを開始

スマホ画面をタップするとスピードメーターが動き出し、数秒で自分の信用力が算出される

950点満点で評価が高いほど、例えばホテル宿泊のデポジットが免除されるなどの受けられる優遇サービスが増える仕組み。」(2017年5月20日 日経新聞

 

まあ、これに関しては、伊勢丹やマリオットホテルなど流通サービスの囲い込みの常道策ではあるが、

中国のモバイル決済ユーザー数は既に5億人を超えている。

 

これがフィンテックブロックチェーンなどの技術革新でヨコに繋がりだし、

世界の個人個人の格付けに発展しだすと相当怖い

 

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tom's eye 98. 「多動力」の源泉

博報堂メディア環境研究所によるメディア接触時間の2017年(最新)の結果。

それによると、東京地区での1日のメディア総接触時間は、トータルで昨年の394分から378分に微減。

 

但し、20代男性は、450分と突出して高く一日8時間睡眠として、人間起きている時間を、960分とすると、

脳が働いている時間のうち、47%=一日の約半分は何らかのメディアに接触していることになる。

 

筆者が気になったのは、スマホなどのデジタルメディアの占める割合。

そこで、計算してみたら、

 スマホ(含携帯)、タブレットパソコンはメディア全体の64%=約3分の2を占める。

 

これらのメディアとTV、新聞などの従来型メディアの違いは、

何と言っても能動接触型であることだ。

 

能動接触とは、検索とかクリックなど自分から情報を取りに行く、取捨選択するということ。

 

東京の20代男性と言えば、大学3年生から若手ビジネスマンのことを指す。

彼らの生活はそこまで来ている。

 

ホリエモンが言っている、「多動力」の源泉とも言えるだろう。

 

  

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  (博報堂DYメディアパートナーズメディア定点調査2017ニュースリリースより)

 

 

 

 

​tom's eye 97. 1回目の就職をゴールにするのはもう止めよう

Tom's eye 85. 「同一労働、同一賃金がもたらすもの」で示したように、日本の会社も、進化したマッチング技術で、その時必要な人材を一時的に求めるようなフリーランスの社会になっていく

 

端的に言うと、終身雇用制はもう時代遅れ

その時々のニーズに即した最適マッチングで雇用が行われるようになる。

 

一流大学を出て、一流企業に就職する。そして終身そこで勤め上げるというコンセプトは大部分崩壊するのだ。

 

だから、1回目の就職をゴールにするのはもう止めよう。

 

今後、企業と人材とのマッチング技術は格段に精緻化するだろう。

 

就職や転職をチャンスと見るなら、何度でもチャンスが訪れる時代が来る。

 

そんな時代を見据えて、どう身を処するのか。

 

まずは、自分自身の専門性を磨き上げることしかない。

それと、自分スキルの自己発信を、社会に対して積極的に行っていくことだ。

それが、今後の身の立て方になるだろう。

 

そう考えれば、就職前にやるべきことが見えてくる。

必要なことの一つは、自分の専門性をどこに見定めるかということだ。

その上で、大学を選定し、専門教育によって、専門性のバックグラウンドを身に着ける。

もう一つは人間力の育成。一つの会社ではなく、色々な組織、団体で生き抜いていける基礎能力のことだ。

 

人間、個人個人の多様な価値を認め、擦り合わせ、お互いに高めていく力。

そのためには、早いうちから、様々な環境で、できればグローバルな環境で、色々な人間と付き合うことが実利になってくるのではないか。

 

  

 

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tom's eye 96. 食も「コト消費」の一大カテゴリー

エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のことだが、戦後一貫して下落していたのに、2005年から如実にV字反転しているのがわかる。(総務省 家庭調査速報グラフ参照)

 

このことは何を意味しているのか。

 

2005年あたりまでは、家計の中で、食より他に買いたいものが色々あったという事。

そして、それ以降の10年は買いたいものが徐々になくなってきた10年であったこと。

そう。日本でモノはもう満ち足りてきたのだ。

 

2016年は25.8%となり、つまり家計の4分の1も再び食費が占めるようになった。

 

2月14日NHK朝のニュースでのインタビューでは、「食以外に欲しいと思ったことが思い当たらない。」との消費者の声。

 

食も「コト消費」の一大カテゴリーなんだよね

 

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