「若者 VS 老人」
これが今の政治のテーマだろうと思う。
海外出張中の機内で、ネットフリックス提供の「ハウス・オブ・カード シーズン3」というドラマを見ていて、面白いことに気づいた。
同ドラマは、上院議員から大統領の椅子を手に入れ、さらに再選を目指して、権謀術策を尽くすというものだが、
その中で、彼の政策の骨子は、「アメリカを完全福祉国家から完全雇用国家へ」というものだ。(ここが非常に明快なので面白かった)
これって、トランプ大統領の政策と全く一緒ではないか。
彼は、完全福祉国家の思想に近い国民皆保険を目指すオバマケアを廃止し、完全雇用を軸に政策を大転換しているのはご存知の通りだが、ドラマが全く一緒の構図で、しかもトランプに先んじて主張している所が面白い。
(ちなみに、ハウスオブカード シーズン3は2015年2月放映)
これは何を意味しているのか。
トランプ氏は、このドラマの脚本をパクったのでは?などどいう野暮な事を言うつもりはない。
一つは、アメリカも日本も、過去も未来も、政治の戦略を凝縮すれば、ここに行き着くということだ。
そして、二つ目は、多くの国で、少子高齢化がここ十数年で急伸したことで、このバランスが崩れ始めていることだ。
つまり、完全福祉国家は、老人の夢であるのに対し、
完全雇用国家は、若者の夢であり、
人類が未曽有の長生きをする今になって、老人のマジョリティ化、彼らの既得権益の主張で、このバランスが崩れ始めている。
それを政治的に正し始めているのが今。と考えると合点が行くということだ。