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tom's eye 112. グローバル人材育成について

今回は、グローバル人材育成(企業内教育)について

それも、同じ職種の人たちをどう育てるかというテーマで語ってみたい。

 

一昨年インドに入って、ローカルのストラテジック・プランナーと協働してた時のこと。

インド人のプランナーは結構シニアだったのだが、言動としては、意外に初期のステージだなという印象だった。

 

他国との比較から言うと、インドは15世紀と早くから西欧諸国の文化が入っているし、基本英語圏だから、マーケティングも他の新興国より浸透、成熟しているのかなと思っていたのだが、数回のやり取りでそうでもないと感じた。

 

教育というのは、どこへ行っても、初歩からやっていかねばならないのだなと再認識したのを思い出す。

 

そこで、企業内でのグローバルな人材教育の過程の考え方はどうあるべきか思い至った。

 

思い出すのは、15年前にバンコクに駐在している時、本社の管理部署の人間から、

「須藤さん(筆者の本名、職種はストラテジック・プランナーだった)の役割は、

2~3年で現地にノウハウを教え込んで帰ってくればそれでいいんです。」

という乱暴な意見に反発を覚えたこと。

 

現地にいて一緒にやっている立場からすると、OJT(=オンザジョブトレーニング)教育はそんな簡単なもんじゃないと、その時咄嗟に思ったのだが、うまく反論できなくてとてもくやしい思いをした。

 

もはや15年前の話だが、今なら、その話を育成の話として整理できると思うので、

記すと、

人が学び、成長する過程は、大きく3つに分かれるのかなと思う。

(1)最初が、教えられるステージ(Teaching)

(2)二番目が、指導されるステージ(Coaching)

(3)三番目が最後で、自律して進めるステージ(Proacting)

経験から言うと、Teachingのステージが重要なのは言うまでもないが、Coachingが大変かつ時間がかかるという認識だ。

 

つまり、人が自律的にものごとを進めようという意識変革までもっていく経験と気づきをどう与えるかが、個人の資質もあいまって、すごく大変なのだ。

 

僕がよく人に言うのは、「13年間海外でやってきて、何人もプランナーを育てたけど、第三ステージまで到達したのは、タイ人と中国人の女性2人しかいない」と。

 

また、帰国してから、同僚の会社の役員が言っていたのだが、「研修というのは、TeachingよりCoachingの方が効くと思うんだよね。」という話は、第二ステージが大事ということを言っていて、その辺は同感。

 

かといって、ずっと現場でやっていた身としては、効果的なソリューションはないと実感している。

世間では色々グローバル人材育成の要諦は~、プログラムは~と騒いでいるけれど、結局は、教える人の資質頼みになってしまうのが実情だ。

 

僕に言わせれば、Coachingで短時間に自律を促せる人が、グローバルで教えられるだ。

 

それでも時間がかかるけどね。

 

  

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