AI時代の泳ぎ方

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tom's eye 137. 書籍は消えるのか(未来の読書のカタチ) ​

今日は電子書籍に焦点を当ててみよう。
 
出版市場の縮小が叫ばれて久しい。
2018年上半期の紙+電子出版市場は7827億円(前年同期比5.8%減)
紙の出版物推定販売金額は6702億円(8%減)
一方、電子出版市場は1125億円(9.3%増)
しかし電子出版の中身はコミックが864億円(11.2%増)、雑誌が108億円(3.6%減)、
文字ものが153億円(9.3%増)と文字ものの比率はまだ小さいのが現状。
(出版科学研究所)
 
ざっくり言うと、コミックや雑誌を除く書籍全体で、
電子書籍の占める割合は4%しかなく、
成長しているとはいえ、全体に与えるインパクトはまだまだ小さい。
 
 
一方、読書をする人が減っているという実態データも数々ある
一例を示すと、全国大学生活協同組合連合会は2018年2月、全国の大学生の生活実態調査を発表した。53.1%が1日の読書時間を「0分」と回答。
つまり、過半数の大学生が全く本を読んでいない。
 
では、このまま書籍は消えていくのか?
筆者の答えはノーだ。
そしてその形態はリアル書籍からは電子書籍に代わっていくだろう。
 
その理由は以下。
 
本という形態で読書する人が減っているという実体はあるが、人々は常時スマホを片手に
文字主体の情報に触れ続けている。
 
なおかつ、メールやチャットの普及で文字を使ってどうコミュニケーションするのかという
リテラシーもかつてないほど上がっていると思う。
つまり、文字による情報吸収意欲や活用意欲は一向に衰えていない
のだ
 
最近、「東大読書」など読書の仕方を説く本が盛んに出回っているが、
筆者なりにその背景を分析すると、
この情報洪水社会の中で、自分の血肉になる情報を
どう取り入れるべきかという悩みが広がっており、
それに対する答えが、このような読書法の指南本なのだと思う。
 
そして、その要諦を言うと、十中八九、「全部読む必要はない」、
必要なところだけ読め」、「それを脳に刷り込め」と言っている。
 
これは近未来の知識吸収のカタチを示していると思う。
 
そしてその時、文字を中心とする情報は電子という形態で
あった方が圧倒的に使い勝手がいいのは自明だ。
 
想像してみよう。
数ある書籍から自分に意味のある情報をクラウドにストックしておき、いつでも好きな時に
引き出し、反芻するできる環境の方が便利に決まっているではないか。
 
これが筆者が書籍がリアルから電子に移行していくことの根拠である。
 
下図がそのイメージだ。
 
自分のスマホには、クラウドにつながる自分が読んだ書籍の自分図書館がある。
そしてその中で、自分にとって意味ある珠玉の文章を抜き出したノートストック
も別途ある。
 
それを必要に応じて引き出し、活用するという流れだ。
 
デジタル革命が加速するこれからが、リアル書籍から電子書籍への
移行が進む時期だろうと見る。
 

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電子書籍で自分図書館をつくる