博報堂時代、と言っても5年前まで勤めていたが、マーケティング上では、ブランドイメージは非常に重要な位置づけであり、メシの種でもあった。
例えば、多くのB to B企業さんに、「企業イメージは非常に大切で、TVCMは大切な役割を果たします。」なんてご高説を垂れていた。
今でもグーグルやアマゾンは、盛んに企業CMをやっているし、このことを全否定するわけではないが、
僕は、ブランドイメージ自体がさほど重要ではなくなっていく未来を感じている。
その原因は消費者の情報接触の仕方の変化にある。
ついこの間までTVの時代であったが、今はネットの時代であり、
そこでの消費者の接し方の根本的な違いは、情報を受動接触しているか、能動接触しているかだ。
大半の消費者が情報は能動接触するものという態度になった今、
そこで彼らが欲しい情報は、
イメージがどうのではなく、もっと具体的なものとなっている。
そしてそこから刷り込まれるイメージも極めて具体的なものだし、ブランドイメージの源泉はそこに立脚したものに移っていく。
ふわふわした情報のニーズがなくなっているのだ。
逆に、僕がむしろ重要性が高まっていると思うのは「認知」だ。
知られなければ何も始まらないというのは、トラッドメディアの時代も、ネット時代も同じ。
そんな中で、ウエブ上で星の数ほどの幾兆個のサイトがあり、みな「私を知ってほしい」とうごめいている。
これが、一昔前との大きな違いで、その中で認知させるという行為が非常に大変になってきているのだ。