AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

tom's eye 117. 理想の教育

空前の将棋ブームだと言う。

筆者も根っからの将棋ファンなので、うれしいことだと思うが、何故これほど関心を呼ぶのだろう。

すい星のごとく現れた藤井聡太四段がその主因には間違いないが、

一つには、AIと人間の関係が今後どうなっていくのかをウオッチするいい先行例という関心もあると思う。

 

そこで、​女流棋士三段の竹部さゆりさんが番組で取り上げていた彼女の父の話。

 

娘から「私より弱い人とやっても強くならないからやりたくない」と言われ、
 
教える人は教えられる人の3倍の力がないと教えられない
 
また、教えることで、その人はさらに強くなる。」と諭したと言う。
 
なんかいい話だなあと思った。
 
また違う文脈の中で、「超初心者に教えるにはどうしたらいいんですか?」という質問に、
 
勝たせてあげるようにナビゲートするのがもっともいいということだった。
 
もちろん、モチベーションが大事という話だが、勝つというゴールを体感させる
のが一番ということだろう。
ことほど左様に、一般の教育でも、勝ち負けはないものでも、ゴールを夢想させる
のが有効なのではないか。
 
この二題の話、理想の教育とは何かを端的に示しているような気がするのだが、いかがか。
 
また、教える人と教えられる人は、ウインウインの関係になるんだなあ。
地球上で、こんないい関係があったのかとも思った次第。
 
 
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tom's eye 116. 働いている人は中々辞められない社会に

2020年頃を境にして日本は労働人口減少社会に転じると言う。(みずほ総合研究所 堀江奈保子氏)

何を意味するかというと、全体の国力が確実に削がれていくのが避けられないのと、
だからこそ生計を維持するために、働いている人は中々辞められない社会
になるという事だ。
 
女性でも生涯働き続ける。
 
シニアでも75歳の後期高齢者まで働き続けるのが当たり前の社会になる。
 
どうせ働くなら、ポジティブに働きたい
 
人間男女皆、生涯働き続けるスキルを磨く時代の到来だ
 
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tom's eye 115. 先を見通す力

将棋の強くなる一つの方法は、数手後の景色(客観的な形勢判断)が見えるようになることだ。

その局面の見極めの正確性が、強い弱いの分かれ目と言ってもいい。

プロ棋士になっても、この基本的なことに悩むことが多いと言う。

ことほど左様に、人間は、自分も含め、現局面に心を奪われ、先を見通さず失敗する人が何と多いことか。
 
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​tom's eye 114. 人生100年時代のキャリアプランの作り方

前にも書いたが、企業と個人の関係は1対1になっていく。

 

個人は、自分の履歴書を世界を束ねるギグエコノミーのプラットフォームにアップし、その都度、自分を買ってくれる企業と契約し、働き、対価を得るようになる。

 

その時、何が基準になるかと言うと、履歴書、つまり自分の表札だ。

この表札をどう作り上げていくかで人の一生は違ってくるだろう。

 

人は人をレッテルで判断する

AIもそうだ。

 

であれば、ビッグデータを使って理想の表札(履歴書)をAIに作ってもらい、人材市場で高く買ってもらいやすくするというのはどうだ。

 

作り方はこうだ。

 

AIに今の時代で最も高く売れるキャリアを複数提示してもらい、その中で自分に最も合っているものを選択。

 

それを目標に、自分を磨き、実績を重ねながら、自分の履歴書に一つずつ加えていく

 

キャリアプランは人生の節目節目でマイナーチェンジが必要だろう。

要は自分の価値とその時々の社会のニーズとの擦り合わせ作業だ。

この時もAIを使う。

 

それを定期的に繰り返していけば、人生100年を有意義に生きることができるはずだ。

 

       

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tom's eye 113. カラオケから貸しスタジオへ

最近、ギターなど重い楽器を担いで街を闊歩する若者を見かけることが多い。

いや、若者に限らないな。中年や高齢者の方も重いのを持って歩いてたりする。

また、街のあちこちで貸しスタジオやボイストレーニングの学校を見かけるようになった。

 

一方、カラオケ需要は減っていると言う。シダックスが店舗を大幅にクローズするそうだ。

 

このことは何を意味するのだろう。

 

元々カラオケは、気の置けない友達や家族どうしが自分の唄を披露したり、それによって個人のストレスを発散したりできるのが楽しさのもとだった。

その意味で、カラオケボックスは手軽でこじんまりした「快空間」、「快時間」だった。

しかし、かねてから言われていたのは、「カラオケは所詮自己満」ということ。

つまり、自分が歌うことが目的であって、友達であっても他人の唄を聞くことは本当の目的ではない。極端に言えば、他人の唄など聞きたくない。できれば自分の唄だけ唄って聞かせたい。そういう性質のアソビであることだ。

 

そこに対し、一つの空間でカラオケを楽しむ者同志は、お互い何らかの違和感があった

 

それに対し、バンドや合唱、つまり楽器や歌を皆で演奏する行為はカラオケとは似て非なるもの。共同で何かを創り上げる行為だ。

 

人々はそちらの方がより楽しいと気づき始めてきたのではないか。

 

カラオケも貸しスタジオも共に快空間、快時間だが、そこには快の質の進化がある。

個人発散から共に創り上げる喜びへ

人間らしさの一つだな。

 

  

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tom's eye 112. グローバル人材育成について

今回は、グローバル人材育成(企業内教育)について

それも、同じ職種の人たちをどう育てるかというテーマで語ってみたい。

 

一昨年インドに入って、ローカルのストラテジック・プランナーと協働してた時のこと。

インド人のプランナーは結構シニアだったのだが、言動としては、意外に初期のステージだなという印象だった。

 

他国との比較から言うと、インドは15世紀と早くから西欧諸国の文化が入っているし、基本英語圏だから、マーケティングも他の新興国より浸透、成熟しているのかなと思っていたのだが、数回のやり取りでそうでもないと感じた。

 

教育というのは、どこへ行っても、初歩からやっていかねばならないのだなと再認識したのを思い出す。

 

そこで、企業内でのグローバルな人材教育の過程の考え方はどうあるべきか思い至った。

 

思い出すのは、15年前にバンコクに駐在している時、本社の管理部署の人間から、

「須藤さん(筆者の本名、職種はストラテジック・プランナーだった)の役割は、

2~3年で現地にノウハウを教え込んで帰ってくればそれでいいんです。」

という乱暴な意見に反発を覚えたこと。

 

現地にいて一緒にやっている立場からすると、OJT(=オンザジョブトレーニング)教育はそんな簡単なもんじゃないと、その時咄嗟に思ったのだが、うまく反論できなくてとてもくやしい思いをした。

 

もはや15年前の話だが、今なら、その話を育成の話として整理できると思うので、

記すと、

人が学び、成長する過程は、大きく3つに分かれるのかなと思う。

(1)最初が、教えられるステージ(Teaching)

(2)二番目が、指導されるステージ(Coaching)

(3)三番目が最後で、自律して進めるステージ(Proacting)

経験から言うと、Teachingのステージが重要なのは言うまでもないが、Coachingが大変かつ時間がかかるという認識だ。

 

つまり、人が自律的にものごとを進めようという意識変革までもっていく経験と気づきをどう与えるかが、個人の資質もあいまって、すごく大変なのだ。

 

僕がよく人に言うのは、「13年間海外でやってきて、何人もプランナーを育てたけど、第三ステージまで到達したのは、タイ人と中国人の女性2人しかいない」と。

 

また、帰国してから、同僚の会社の役員が言っていたのだが、「研修というのは、TeachingよりCoachingの方が効くと思うんだよね。」という話は、第二ステージが大事ということを言っていて、その辺は同感。

 

かといって、ずっと現場でやっていた身としては、効果的なソリューションはないと実感している。

世間では色々グローバル人材育成の要諦は~、プログラムは~と騒いでいるけれど、結局は、教える人の資質頼みになってしまうのが実情だ。

 

僕に言わせれば、Coachingで短時間に自律を促せる人が、グローバルで教えられるだ。

 

それでも時間がかかるけどね。

 

  

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tom's eye 111. 選挙で圧勝後、新安倍政権は何が問われるか

2018年10月22日の選挙で自民党が圧勝し、安倍政権の続投が決まった。

あまり政治の話は自分の守備範囲ではないが、一つ感じていることを記す。

個人的な関心は、国民の期待や関心は何に移るだろうということ。

消費税の使い道変更、全世代型社会保障への転換だろうか。否

筆者は「賃金の劇的上昇」だと思う。

 

20日の日経新聞に面白い比較が載っていたので、それを整理してここでご紹介すると、

アベノミクスの4年間は民主党時の3年間とどう違うか

GDP 年率1,1%(民主党時 1,8%)→ 民主党時の方が高い

②雇用正規+20万、非正規+210万(民主党時 -50万、+80万) → アベノミクス時が、200万人多い

③所定内給与上昇率 0,5%(0,4%)→ トントン、双方とも低迷

④加えて、アベノミクス時は、株価2倍、地価の上昇が特徴。

 

つまり、アベノミクスを総括すると、

圧倒的に雇用を増やしたことと、金融資産を増加させたことが成果だ。

 

だから、資産を持ってる富裕層が得したなということと、

でも自分の給与は上がってないから実感のわかないというサラリーマンが大半

というのが今の国民の感覚だろう。

(雇用の大幅増という面では、民主党時のような失業の恐怖からは免れたけどね)

 

今後は、この実感のわからないサラリーマンの給与をいかに劇的に増やせるかどうかが勝負と予想する。

 

  

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