AI時代の泳ぎ方

AI時代のリスキリング論

tom's eye 84. 旅マーケティングについて インバウンド需要の取込み方

​​インバウンド(訪日外国人)の増え方が半端ない。

 

1980年には、131万人に過ぎなかった。2016年には、2404万人に増加。

20年に4000万人、30年に6000万人を目指しているが、

案外リアリティのある数字だ。

 

マーケティング 成功の鍵は何だろう。

 

旅行マーケティングも地方創生マーケティングもWebマーケティングも似ている。

 

普通にやってちゃ絶対成功しない。

星の数ほどあるものから、いかに選ばせるか

 

最初の出会いの設計が極めて大事。

お互いにピンと来るシーズとニーズのベストマッチができるかが勝負。

 

 

さらに、訪問者の活用。

カスタマーエクスペリエンスの糸を手繰らせ、その糸で結ばれた人を地道に確実に引き寄せることだ。

 

          f:id:sudotom:20170720090740p:plain

 

 

 

  

tom's eye 83. ​人手不足は悪いことか?

今、新聞は、そこかしこで人手が足りないと喧しい。

人手不足は悪いことなのだろうか

人余りよりはるかにいいのではないか。

 

リーマンショック後の日本の雰囲気を思い出してみよう。多くの人が失職の恐怖に怯え、相当悲惨だったと記憶している。

 

                                       f:id:sudotom:20170719070534p:plain

 

2017年7月4日 海外ニュースを見ていたら、オーストラリア ABCニュースが、今後10年間で、AIの進歩により、オーストラリア国内で500万人 (44%)が失業する予測と報じていた。

 

一方、アメリカでは、ITビッグ5(フェイスブック、アルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾン)の合計従業員は今66万人で、ウオールマート230万人の3割に満たないとあり、来たるIT主導社会は少ない雇用にシフトせざるを得ないとしている。

          f:id:sudotom:20170719071528p:plain

 

「新たな技術は新たな需要の母となり、新たな仕事を生んできた。だが、蒸気と電力による人海戦術型の産業革命を経て、コンピュータ化による第3次革命で潮目は省力化へと変わった

人工知能(AI)を軸とする第4次革命で少数精鋭の傾向はもっと強まる。」

(7月15日に日経新聞のニューモノポリー(下)の記事より)

 

   

                                

そうなのだ。

 

ちょっと遠い先、いやもうすぐにでも、職業の2極化が生まれ(ブレイン・デバイドと言うそうだ)、

いわゆる単純労働の人手がいらない厳しい時代が来ることを

多くの人々が予感しているのが今だ。

 

今のうちに備えよう。勉強するしかないという雰囲気は、特に若者に広がっている

tom's eye 82. 政治 次のコンセプト「若者 VS 老人」

「若者 VS 老人」

これが今の政治のテーマだろうと思う。

 

海外出張中の機内で、ネットフリックス提供の「ハウス・オブ・カード シーズン3」というドラマを見ていて、面白いことに気づいた。

同ドラマは、上院議員から大統領の椅子を手に入れ、さらに再選を目指して、権謀術策を尽くすというものだが、

その中で、彼の政策の骨子は、「アメリカを完全福祉国家から完全雇用国家へ」というものだ。(ここが非常に明快なので面白かった)

 

これって、トランプ大統領の政策と全く一緒ではないか。

 

彼は、完全福祉国家の思想に近い国民皆保険を目指すオバマケアを廃止し、完全雇用を軸に政策を大転換しているのはご存知の通りだが、ドラマが全く一緒の構図で、しかもトランプに先んじて主張している所が面白い。

(ちなみに、ハウスオブカード シーズン3は2015年2月放映)

 

これは何を意味しているのか。

 

トランプ氏は、このドラマの脚本をパクったのでは?などどいう野暮な事を言うつもりはない。

 

一つは、アメリカも日本も、過去も未来も、政治の戦略を凝縮すれば、ここに行き着くということだ。

 

そして、二つ目は、多くの国で、少子高齢化がここ十数年で急伸したことで、このバランスが崩れ始めていることだ。

 

つまり、完全福祉国家は、老人の夢であるのに対し、

完全雇用国家は、若者の夢であり、

人類が未曽有の長生きをする今になって、老人のマジョリティ化、彼らの既得権益の主張で、このバランスが崩れ始めている。

それを政治的に正し始めているのが今。と考えると合点が行くということだ。

 

 

           f:id:sudotom:20170718075105p:plain

​tom's eye 81. 百貨店次のコンセプト 銀座シックスを見て

百貨店という看板を外して、一流テナント誘致の館に変えたわけだが、あまり変わり映えしないという印象を持ったのは、僕だけだろうか。

 

銀座は賃料高い、だから多くのテナントは資金力がないと出店できず、

結果大きな資本を持つチェーンが出店し、他立地と似たような店が並ぶ

お客さんは、既視感を感じ、魅力が失せていくという流れだ。

 

もはや欲しいものがない時代だ。

 

他にはない今まで見たことがない店が集積していて、来ると購買意欲が刺激される。

それらが庶民の手に届く安い価格でも売っているという構造を作らなければだめだ。

 

星の数あるネット商品サイトの1坪ショールームにする。

現物をそこで確かめることができ、全部ネット決済にする。

 

そういう逆転の発想はどうか?

 

          f:id:sudotom:20170707233725p:plain

tom's eye 80. 自家用車の未来②

前回、AIを使って、ドライバーをいかにアシストするかがテーマになると述べたが、

一言で言うと、クルマは、「移動の最適化」に向けて進化する

そのテーマを大別すると、①ナビゲーションの進化、②運転アシスト領域の進化、③快適な移動空間の実現に分かれる。

ナビゲーションの進化…・より詳細な渋滞情報、道路コンディション情報などの予知的情報を加味し、目的地までいかに最短時間で快適に移動するかで進化

運転アシスト領域の進化…自動駐車システムの進化、曲がる、追い越しなどの高度な情報感知と操作がいる場面でのアシストの進化。反射神経が衰えた老人をいかにサポートするかもテーマになるだろう

快適な移動空間のカスタマイズ…ドライバーのストレスを下げたり、快を増幅する五感を使った快適空間やサービス。また、高速道路の完全自動運転時のドライバーと乗客の快適な過ごし方もテーマになるだろう

 

①、②はこれまでのクルマメーカーの技術の延長線上でAIを使った進化が求められる。

 

一方、③に関しては、人間の快・不快はどう生まれるかといった気分のマーケティングが必要だ。

 

日常生活の一端としての移動環境、移動空間をいかに快適にしていくかという発想が求められ、人間の一日の行動とその中における移動の役割や位置づけビッグデータでホリスティックに分析、可視化し、クルマという移動の箱に新たな付加価値を付けていく作業が必要だ。

 

また、個人個人のライフスタイルがあるわけで、いかに一人一人のニーズに合ったアシストをしてくれるのかも鍵になる。

 

    

        f:id:sudotom:20170703153510p:plain

tom's eye 79. 自家用車の未来

​自動車の完全自動運転はいつ頃実用化するか。

 

レベル1からレベル5まであるが、レベル5=完全自動運転(加速・制動・操舵を全てシステムが自動で行われ、ドライバーが全く関与しない状態)で、

テスラモーターズイーロン・マスク氏は、実現は、なんと2017年後半と答えている。これは少々ブラフが入っていると思うが、

先ごろ、ホンダはレベル4(ドライバーが制御を再開する必要がある場合を除いて、ほとんどの運転状況において、車両がドライバーに代わって運転操作を行うこと)を2025年までに実現を目指すと発表した。(2017年6月)

 

つまり、ほぼ完全自動運転は、10年以内で実用化ということだが、

ここで注意しなければならないのは、クルマはそうあっても、

各国の法整備、インフラ整備がそこまでに追いつかないだろうということだ。

 

世界各国事情はまちまちであろうが、全国津々浦々で完全自動運転を解禁とは到底思えない。

 

その中で、一番実現が考えられるのは地理的限定

例えば、高速道路や銀座に限り、完全自動運転OKなどというやり方だ。

 

こうした近未来の環境で、マーケティング的に一番認識すべきポイントは、

いずれにしても、人間のドライバーが必要だということ。

 

一台のクルマで完全自動運転が許された道路とそうでない道路を跨いで運転するには、人間のドライバーが必要だからだ。

 

ということは、

一つは、自家用車の使用者は、当面、自分がドライバーであり続けなければならず、

二つめは、タクシーなど商用車も人間が必要で、人件費というコストは当分必要ということを意味する。

 

一部で、将来、自家用車が必要なくなるという議論も喧しいが、それは遠い未来の話で

ウーバーが普及しても、他人に乗せてもらうというコストはかかるわけで、

自家用車の所有のメリットがなくなるというわけではない

 

また、当面人間がドライバーとして乗車するという前提で考えると、

その人間の負担をいかに軽減するかという方向で自動運転、いや、AIは進化していくだろう。

 

AIを使って、人間をいかにアシストするかが技術開発のテーマであり続けるわけで、

どんどんAI化して、個人個人の生活をアシストしていくスマホと同じ発想でマーケティングしていくべきだろう

 

       

      f:id:sudotom:20170703125939p:plain

tom's eye 78. ​一億総監視社会

昨今の企業の従業員に対する守秘管理、コンプライアンスがどんどん高次元になっている

 

友人から具体的に聞いた話だが、社員の在宅勤務など働く場所が自由になる代わりに、パソコンで使う情報は全てクラウド管理。

ダウンロードは許されない。

ケータイ/スマホもノートPCも、万一紛失した場合の必罰が半端ない。

中途退職者が社内の極秘情報やノウハウを持ち出さないよう徹底的に対策を打つなど、

情報管理に本当にピリピリしている。

 

また、スマホGPSが配備されることで、社員の移動もガラス張り。

昔横行したカラ出張や私用タクシーなどはもうできない(笑)

 

これらは何を意味するのか?

 

一つは、企業の価値が、情報そのものにシフトしていること。

 

もう一つは、人々の行為に匿名性がなくなりつつあること。

 

元々、企業での全ての行為に責任が伴うというのは当たり前ではあったのだが、

それがテクノロジーの進化によって可視化されるようになり

窮屈な社会になりつつあること。

 

一億総監視社会へと着々とひた走っている感じ。

 

              f:id:sudotom:20170630213834p:plain